【継続は力】 名もなきおじさんの人生後半戦!

生まれて半世紀が過ぎました。人生100年時代も後半戦。名もなき普通のおじさんの今持っている情報と、 これからの新たな学びや発見を気ままに発信します。

#40 【西村京太郎氏死去】時刻表のリアルと旅情の絶妙なバランス

トラベルミステリーの巨匠 西村京太郎氏が先日亡くなりました。

決して読書家とは言えない私にとって数少ない好きな作家の一人でした。

 

どの作品かは覚えてないのですが、西村京太郎ファンの知人から

「面白いから是非読んでみて」

と貸してもらったのが始まり。

それ以来20年くらいになりますが、熱狂的なファンというわけではありませんが、

たまに氏の独特なワールドが懐かしくなって図書館で借りてきたりしてこれまで

十津川警部シリーズを中心に20冊くらい読んだと思います。

 

最近は発行部数がかなり少なくなっているようですがJRの時刻表って

ご存知ですか? そう 昔の電話帳のような分厚いやつです。

私もそういう一面がありますが、鉄道ファンはあの数字と駅名の羅列で

テンションが上がるのです

しかも、”道具”感が強い新幹線と違って、昭和から平成にかけて大活躍した

在来線特急が扱われるケースが多くて、もう特急の名前を聞いただけで

旅情を掻き立てられるのです。

 

この感覚は今の20代くらいまでの若い人には分かりにくいかもしれませんね。

JRの時刻表なんてそりゃJRの駅に行けばあるでしょうけど、そうでも

なければ見たこともないでしょうし、その必要性も感じないでしょう。

Google Mapならもっと手軽に情報が得られますからね。

だんだん特急列車は減ってますし、寝台特急なんて昭和の頃なら観光需要だけでなく、

足として夜行列車のニーズがあったわけですが、

新幹線ネットワークが拡大された今となっては、時間がかかっても

あえて優雅に過ごすための特別列車と言うべき存在ですしね。

 

便利になった反面、”旅情”という観点ではちょっと淋しい気がします

エル特急なんて言葉はもはや死語・・・なんですかね。

昭和の頃は全国あちこちに特急が走ってました。私の住む近畿は私鉄王国と言われて

メインルートには新幹線もありますので在来線特急はもともとそんなに多くは

ありませんが、くろしおや雷鳥が代表格ですかね。今ではそれぞれ

オーシャンアローサンダーバードという何か特急というより特撮みたいな

名前になってしまってますが。

 

話を戻して、西村氏の作品は時刻表を隅々まで読み込まないと分からない精密な

時間感覚と、徹底した現地取材に基づく正確な情景描写によって、

旅情とミステリーを同時に堪能させてくれます。

そして読者のワクワク感をくすぐるギリギリのところをついてきます

時間的に絶対無理と思うところを、よくよく時刻表を読み解けば、何時何分に着いて

タクシーで移動して殺人を犯して 何時何分の特急〇〇に乗れば夕方までに

東京に帰れる・・・みたいな内容が極めてリアルに描かれていて

いやあ 本当に凄いです。

 

Google Map世代の若者にはもしかしたら相性が悪いかもしれませんが

殺人事件のハラハラした展開の中に時刻表の行間と旅先の風景が見える・・・

そんな西村氏のリアルと旅情の絶妙なバランスを是非体感して欲しいですね。

私も定期的に西村京太郎ロスが襲ってくるので近々読んでみようと思います。